このドラマの最大にして最強の魅力は、脚本家が創造したオリジナリティ溢れるキャラクター像に息を吹き込み、唯一無二の生きた人物を生み出した俳優たちの名演だ。特に、前作「犬とオオカミの時間」で飛躍的な成長を遂げ、今作「イルジメ[一枝梅]」でSBS演技賞「男性最優秀演技賞」を受賞したイ・ジュンギの好演は圧巻。社交的で明るいヨンと孤独な義賊イルジメ、その2つの姿の陰で一人悲しみに堪える本当の自分という3つの表情を見事に演じ分け、視聴者から絶賛された。また、ほとんど代役なしで自らこなしたアクションシーンは美しくかつ迫力に溢れたリアルなものに仕上がり、「イルジメ」の視覚的魅力を増大させている。
そして、イルジメのライバルであり、庶子ゆえに家族に虐げられ心を閉ざして生きるシフには、「完璧な恋人に出会う方法」で主演級に躍進したパク・シフを抜擢。寂しげな眼差しでシフの内面を映し出し、女性たちを魅了した。
対する女性陣も、「春のワルツ」で日本でも知られるハン・ヒョジュが、イルジメが唯一愛し、切ない恋を展開するウンチェに扮し、これまでの明るく活発なイメージを一新。時代劇初挑戦とは思えぬ落ち着きと品のある雰囲気を醸し出している。その一方、ヨンを一途に想う少女ポンスンを演じたイ・ヨンアは、前作「黄金の新婦」に輪をかけた愛らしさで、ヨンに扮したイ・ジュンギと楽しい凸凹コンビを形成。物語に明るい笑いを提供するパートを担った。
この主演4人に負けずとも劣らぬ活躍を見せたのが、脇を固めた実力派俳優たちだ。特に、ヨンの養父セドルに扮したイ・ムンシクはこのドラマの陰の立て役者である。彼は役作りのため自分の前歯を抜くという凄まじい役者魂を見せ、物語の泣かせどころとなる多くの名シーンを生み出した。映画「フライ、ダディ」に続く共演となったイ・ジュンギとも抜群のコンビネーションを見せ、“ベスト父子”として多くの視聴者に愛されることとなった。さらに、愛情表現の不器用なヨンの養母タンを演じたキム・ソンリョン、ポンスンの養父コンガル役のアル・ギルガン、ヨンの仇である謎の黒幕を演じたキム・チャンワン、冷徹な刺客サチョン役のキム・レハ、間の抜けたシフの異母兄シワンを演じた舞台出身俳優キム・ムヨルなど、芸達者な俳優たちが物語に妙味と緊張感を加え、深みのあるドラマに仕上げている。
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